キャニスターボトルとスティルの関係。

キャニスターボトルとスティルの関係。


キャニスターボトルとスティルの関係。

さまざまな種類のレザーを使って、さまざまな革小物を作ってきました。

どのレザーを使って、どんな形のプロダクトをつくるか。そこには理由と、試行錯誤が詰まっています。革とかたち、その両方が呼応し合うような相性のよさや、ときに意外性、狙いもさまざま。使うほどに、また使ってくれるだれかの言葉から気づくこともあります。



強度と密度、やぎ革の持ち味を感じるレザー。

傷つきにくい。柔らかくしなやか。なのに、重いものを入れても型崩れしない。オリジナルレザー「スティル」を使っていると、とにかく、やぎ革の“強さ”を実感します。レザーの上質さをまじりけなく感じられ、その使い心地は多くのひとに好まれます。そんなスティルの利点をかたちに落とし込んだのが、「キャニスターボトル」という巾着タイプのバッグ。それを裏付けるように人気がとても高く、ここから私たちRENのことを知ってくださる方も多いようです。



高密度ゆえの、シンプルなつくり。

たとえば巾着の開口部には、縫い目のかなり近い位置に穴を開け、紐を通しています。補強もしていません。通常は敬遠される構造ですが、密度の高いやぎ革を選んでいるからこそ実現できました。もちろん、引っ張り強度の試験もしっかりおこなっています。

また開口部の端は切りっぱなしにし、シャープさを出しています。綺麗なドレープの秘密でもあります。




シンプルなつくりですが、ならではの工夫もこらしています。たとえば巾着の口は、通常左右に紐を引いて閉じますが、このキャニスターボトルでは、肩に掛けたままバッグを下向きに引っ張れば口が閉じます。

それゆえ紐の構造もシンプル。革が馴染んでくると、荷物の自重で口が閉じるようになります。



小ぶりなのに大容量な「四次元ポケット」バッグ。

革名にスティル=静かな、静寂なという意味を込めたとおり、落ち着きある表面感が特徴ですが、いっぽうで型崩れしにくく、傷もつきにくいタフな一面も。

これを生かすべく、華奢で小ぶりに見えてじつは、財布と携帯、ハンカチ、さらに500mlのペットボトルに折り畳み傘まで入る、強度と大容量を誇ります。

私たちはひそかに、「四次元ポケット」なんて呼んでいます。



あえて複雑にした裏面。

もとは、荷物のアタリが表に出ないように張った麻混紡の裏地。

このコシがバッグ全体に及ぼす影響を細かく研究しました。結果、軽くてやわらかいのに、重いものを入れても形をキープ。また、補強のために端に巻いたパイピングが、バッグの丸いシルエットを保つ骨組みとしても成り立っています。見えないところなので、もっと簡単にすることもできますが、あえてちゃんと。

使い勝手の良さは、裏面に凝らした工夫のたまものでもあります。



革とかたち。

スティルの繊細さやしなやかさは、キャニスターボトルの構造に落としこまれることでその特性を十二分に発揮します。

また、大胆なつくりのキャニスターボトルは、高密度なスティルを使うことで、よりシンプルに完成される。


革とかたち。

両者が相乗効果的に作用し合うことが、優れたプロダクトづくりには欠かせません。そのことを、使い手のひとりである私たちも実感しながら、今日も向き合っています。



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